「文昇問題 其の一」

液晶TVの段

 

 液晶テレビが壊れた。前日まで正常に映っていたが、次の朝、電源を入れると、音だけで、画面が真っ黒だ。チャンネルを替えると、音声は変わる。だが、映像はどのチャンネルも黒だ。7年使っていた。保険も使えず、修理をするとなると、結構掛かる。部品代以外に出張費や技術料を足すと、新品の値段に近づく。直したとしても、すぐに違う所が故障する可能性もあり、また、替えの部品が製造中止になっているかも。常人の妻や子は、新しいテレビを買おう、と言ったが、地球に優しい私は、捨てずに置いていた、14インチのブラウン管テレビを押入れから引っ張り出してきて、地デジチューナーに繋いだ。当初は不満を漏らしていた常人達も、今では一緒に小さなテレビを見ている。また、最近の番組は字幕が結構多く、その時の対応は体調による。元気なら近寄って文字を読もうとするし、疲れていたら読むのを諦める。
 しかし、小さなテレビになって、良い事もある。ビジネスホテルに泊まった時、部屋の小さなテレビが、すごく大きく感じた。テレビは小さくとも、人間は大きくありたいものだ。

 ちなみに、現在は新しい液晶テレビを購入し、家族の距離は離れました。昨年の秋を懐かしんで。 

                       
                                        <2016年>