つれづれぐさ

「連々草」

 平成八年四月発行 会報第二号より

 「もしもし吉本興業です。○月×日、伊丹空港9時半発の飛行機で、長崎に行ってください。□△という者が迎えに伺います。」

この後に、¾¾ このテープは自動的に消滅する ¾¾ と続けば、スパイ大作戦になってしまう様なヤリ取り。こんな簡単な電話で、仕事の指令がある。「すんません、ちょっと休ませて下さい。」と言おうものなら、「一生休むか!」。だから吉本の仕事は、少々の事では休めない。実はこの時、私は左耳が中耳炎になっていてとんでもない状態でした。でも一生休むわけにはいきません。

 当日、左耳の痛みを押さえて飛行機に乗り込みましたが、耳が痛いの痛とうないのって、これは地獄でっせ。皆さん中耳炎の時は飛行機には乗らないように。1時間半のフライトで長崎に到着。ほっとする間もなく、車に乗せられ、さらに1時間のドライブで佐世保へ。やっと佐世保に到着したかと思えば、何と漁船(漁船でっせ、さすがは吉本や)。20分のクルージングで、島民の7割がキリシタンという黒島。自宅を出てから4時間半。やっと仕事場に着きました。この頃には、私は左耳以外にも体はガタガタ。

 さあ、いよいよ仕事。着物に着がえて15分間の大熱演。高座が終わると、「それじゃあ小國さん、帰りまひょか。」帰り際、島の人に伊勢エビ2匹をもらった。往復9時間で、実働15分。

 後日、振り込まれたギャラを見てびっくり。伊勢エビの方がはるかに高かった。こんな事ならエビを食べんと、今度からもろうたエビを養殖する!。

 ここで

¾¾ 小國の格言 ¾¾

『エビで体(たい)は疲れる』

 

 小國への仕事の依頼は、後援会事務局まで。ベストの状態でお伺いいたします。

(桂 小國)

某耳鼻咽喉科医 談

 小國君の鼓膜は、この事件の5日後に完治した事を報告しておきます。